AIとクラウド時代のセキュリティ課題:中小企業が今すぐ備えるべきこと
ここ数年でクラウドサービスと生成AIの活用が一気に広がりました。大企業だけでなく、中小企業においても「メール文の自動作成」「クラウド会計」「AIチャットでの顧客対応」など、日常業務にAIが自然に入り込んでいます。便利さと効率化の裏で、新たなセキュリティ課題が生まれていることをご存じでしょうか。
まず注意すべきは「データの所在」です。クラウドに保存したファイルや、AIサービスに入力した情報が、どこで処理されているかを把握していないケースは意外と多いです。特に機密性の高い顧客情報や社内資料を無意識にアップロードしてしまうと、漏えいリスクが高まります。
次に、AIを悪用したサイバー攻撃の進化です。最近は生成AIを使って日本語の不自然さがまったくないフィッシングメールが大量に出回っています。従業員が「おかしい」と気づけないほど精巧になっているため、従来の経験則だけでは見抜けません。
さらに、クラウド環境は「境界(オフィスの内と外)」が曖昧になるため、従来のファイアウォールだけでは不十分です。アカウントの乗っ取りや、不正アクセスによる内部侵入のリスクが高まるため、ゼロトラスト(すべてを信用せず検証する考え方)に沿った対策が求められます。
中小企業が取り組むべき第一歩は、以下の3つです。
1. 利用しているクラウドサービスの棚卸し:どのサービスにどのデータを置いているのかを明確にする。
2. 従業員向けのセキュリティ研修:AIが生成した不正メールの見分け方を学ぶ機会を設ける。
3. 多要素認証やUTMの導入:アカウントの不正利用を防ぐ仕組みを整える。
私たちの会社でも、CheckPoint社のUTMや不正メール訓練サービスを提供し、中小企業の「AI時代の守り」を支援しています。便利さとリスクは表裏一体。クラウドやAIを安心して活用するためにも、今こそ一歩踏み出す時期です。
サイバー攻撃は待ってくれません。今日の一歩が、明日の大きな安心につながります。