ここ最近、セキュリティ業界をざわつかせているのが「AIエージェント型マルウェア」の登場です。
セキュリティ企業のSquareX社が発表したレポートによると、ChromeやEdgeなどのブラウザ拡張機能に紛れて、悪意あるAIボットがユーザーの操作を真似たり、勝手に通信を開始したりと、従来のマルウェアでは考えられない「自律行動」が確認されたとのことです。
このAIは、人間のように「目的に応じて柔軟に動く」ことができ、メールから機密情報を抜き出したり、内部の業務ツールを操作したりと、従来のスクリプト型攻撃の枠を超えています。
■ 経営者が注目すべきポイント
1. パターンに頼った防御は無力に
AIエージェント型の攻撃は、既知のウイルス定義ファイルでは検出が困難。人間のように動くため、”ルールベース”の対策だけでは不十分です。
2. 「クリックしない」だけでは防げない
攻撃者はAIに業務メールやチャットを分析させ、「自然な」やりとりで侵入を図ってきます。社員の一瞬の油断が命取りになる時代です。
3. 中小企業も狙われる理由
防御が甘い企業ほど、AI攻撃の“練習台”として狙われやすい傾向にあります。大企業だけの問題と思ってはいけません。
■ では、どう備えるか?
今後ますます進化するAI型サイバー攻撃に対しては、「多層防御」かつ「人の判断力」を高めることがカギになります。
• 次世代型UTM(統合脅威管理)の導入
AI行動に近い異常通信やパターンを検知することが可能です。CheckPoint製のUTMは、特にゼロデイ攻撃にも強い製品として知られています。
• セキュリティ研修の強化
「AIが自動で騙してくる」ことを社員に理解させ、怪しい挙動を“感覚的”に察知できるようにすることが、今後の重要な対策です。
AIが便利になればなるほど、その裏で悪用も進化していきます。
「自社は関係ない」と思っている企業こそ、今一度、自社の守りを見直すタイミングかもしれません。
ご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
では今日もセキュアな一日を!